おすすめの空き家対策は?自治体の制度や空き家活用方法など徹底解説

「相続した実家が空き家になりそうだけど放置してもいいの?」

「住み替えのため今住んでいるマンションが空き家になるけど、どうすればいいの?」

など、空き家の対策についてお調べですね。

空き家を放置すると税金が高くなるなど不利益な問題に直面します。

結論から言うと、空き家は売却がオススメ!

本記事では戸建て・マンションの空き家問題から空き家の活用方法、売却するメリットなどを解説します。

空き家について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.空き家の現状

「平成30年度住宅・土地統計調査」より空き家数及び空き家率の推移

空き家は年々増加しており、社会問題となっています。

総務省統計局による平成30年度住宅・土地統計調査によると、空き家率は13.6%と過去最高となっているのです。

空き家は管理されないと景観の悪化や防犯性の低下を招くため、国や自治体が調査、管理を行っています。

空き家を放置すると税金が高くなるなどペナルティが発生するため、空き家を所有したら必ず対策しましょう。

ただし、どのような空き家対策をするにしても、空き家の現状を知らなければ適切な対策を選択できません。

まずは戸建て・マンションの空き家がどのくらい存在して、問題となっているか確認しましょう。

  1. 戸建ての空き家問題
  2. 分譲マンションの空き家問題
  3. 今後も空き家は増え続ける

順番に説明します。

1-1.戸建ての空き家問題

「平成30年度住宅・土地統計調査」より建て方別空家数の推移

平成30年度の調査だと、戸建ての空き家は317万戸です。

戸建ての空き家は、空き家全体の37.5%を占めます。

平成25年度は300万戸だったため、17万戸(増減率5.8%)も増えているのです。

平成26年、増え続ける空き家を問題視した政府が対策として「空き家対策特別措置法」を施行しています。

空き家対策特別措置法(以下、空き家法)とは、戸建ての空き家を適正に管理、除却、利用するよう自治体や個人を支援する法律です。

しかし空き家法が施行された現在でも、相続や解体費用の問題から戸建ての空き家は増え続けています。

続いて分譲マンションの空き家についても、どのような問題があるか確認しましょう。

空き家法について詳しく知りたい方は、「世界一わかりやすく解説!「空き家対策特別措置法」ってどんな法律?」をご覧ください。

1-2.分譲マンションの空き家問題

平成30年度の調査だと、マンションを含む共同住宅の空き家は475万戸です。

マンションの空き家は、空き家全体の56.2%と半数以上を占めます。

特に東京や大阪など都市部では、戸建てよりマンションの空き家が増加しているのです。

マンションの空き家も戸建てと同様、親からの相続により増加しています。

ただ戸建ての空き家と異なり、マンションの空き家は解体することもできません。

さらに、固定資産税に加えて管理費なども支払わなければならず、戸建ての空き家よりも負担が大きくなります。

このような経済的理由から、相続したマンションを相続人が放置してしまうケースが増えているのです。

マンションの空き家は空き家法の適用外で、支援が少ないことも空き家が増えている原因の一つと考えられます。

また、マンションは戸建てと異なり外観から空き家だと分かりません。

そのためマンションの空き家はこれまで戸建てよりも問題視されてきませんでしたが、今後は注目を集めるでしょう。

1-3.今後も空き家は増え続ける

空き家増加の原因は、主に以下の2点です。

  •  親からの不動産相続
  •  少子高齢化

実際に親から相続した実家や不動産を持て余し、活用できずに放置してしまう家族もいます。

また、不動産の所有者が高齢で亡くなった場合、相続先が不明で空き家と化してしまうこともあるのです。

マンションの場合も、住民の高齢化が進む築古のマンションではすでに空き家が問題となっています。

少子高齢化が進む中、戸建て・マンションの空き家は今後も増加するでしょう。

空き家問題については、「空き家問題を徹底解説!増加の原因・リスク・解決法まで全て教えます」で詳しく説明しています。

ぜひ参考にしてください。

2.空き家を放置すると起こる3つの問題

空き家は増加傾向と理解したところで、空き家を放置した場合の問題について確認しましょう。 

空き家を放置すると、以下の3つの問題が発生します。

  1. 固定資産税が6倍になる
  2. 強制代執行で解体費用を請求される
  3. 滞納分の管理費などを請求される

空き家を放置した場合の問題について、順に見ていきましょう。

問題1.固定資産税が6倍になる

空き家を放置すると、固定資産税が6倍になる可能性があるのです。

通常、固定資産税は200平方メートルまで固定資産税は6分の1に軽減されます。

しかし、放置した空き家が「特定空き家」に指定されると固定資産税が軽減措置の対象から外されるのです。

特定空き家とは、空き家が以下の状態だと指定されます。

  • 放置し続けると倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 放置し続けると著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われておらず著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全のために不適切である状態

軽減措置の適用外となると、これまで支払っていた固定資産税は6倍になり大きな負担となるのです。

問題2.行政代執行で解体費用を請求される

行政代執行とは、改善命令に従わない特定空き家の所有者に代わって、行政が適切な管理を行うことです。

たとえば、行政が所有者に代わり空き家の前に放置されているゴミを撤去したり、倒壊しそうな空き家を解体したりできるのです。

本来、所有者が行うべきことを行政が代わりに行うため、空き家の解体費用、修繕費用、撤去費用などは所有者に請求されます。

行政代執行の費用は税金滞納と同等に扱われ、税金と同じ方法で徴収されるのです。

つまり、費用支払いの督促状が届き、最終的には財産を差し押さえられます。

行政代執行は行政にとっても最終手段です。

行政代執行を実行される前に、行政の改善命令に従いましょう。

問題3.滞納分の管理費などを請求される

分譲マンションの場合、戸建てと異なり一部屋のみを特定空き家に指定はされません。

マンション自体が特定空き家に指定されない限り、行政代執行の対象になる可能性も低いです。

しかし、空き家となってマンションを放置していると滞納分の管理費、修繕積立金などを請求されます。

たとえば、親から分譲マンションの一室を相続したものの空き家として放置していると、突然滞納分の管理費などを請求されるのです。

管理費等の請求は管理組合から行われます。

請求額を支払わない場合、訴訟を起こされたり、強制執行(競売や差し押さえ)されたりするのです。

請求額が高額で支払えない場合は、ただちに売却を検討した方が良いでしょう。

3.戸建てやマンションの空き家活用方法

ここまで空き家を放置すると、余計な税金や費用がかかってしまいます。

相続や住み替えで空き家を所有することとなったら、何らかの空き家対策が必要です。

空き家の活用方法は、主に次の3つがあります。

  1. 賃貸にする
  2. 売却する
  3. 居住する

それぞれのメリットやデメリットを確認しましょう。

活用方法1.賃貸にする

空き家を賃貸にする方法があります。

メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット 家賃収入が得られる
ローンや固定資産税を経費にできるので、節税できる
デメリット 入居者が見つかるまで維持費がかかる
簡単に売却や再度住むことができない
入居者とトラブルになる可能性がある

空き家を賃貸にする最大のメリットは、家賃収入が得られることです。

家賃収入は経費として計上できるので、節税も行えます。

ただし、入居者を見つけるまでの維持費がデメリットです。

特にマンションは供給過多で、今後ますます入居者を見つけづらくなるでしょう。

また、入居者が見つかれば簡単に売却を行えません。

一時期賃貸にしていて再度住みたい場合も、入居者の了解が必要です。

そのため賃貸をしたいなら、入居者と居住期間を限定できる定期借家契約を行いましょう。

定期借家契約とは、期間を決めて家を貸し出す契約のことです。

賃貸にする場合に考えられる3つの方法を説明します。

  1. 戸建てをリフォームしてから貸し出す
  2. マンションをリフォームしてから貸し出す
  3. DIY可能物件として貸し出す

順番に詳しく見ていきましょう。

1.戸建てをリフォームしてから貸し出す

賃貸にする場合、リフォームしてから貸し出すことを検討しましょう。

リフォームをすれば、そのままの状態より入居者が見つかりやすくなります。

戸建ての場合、全面をリフォームしようとすると築年数により500万円~1,000万円必要です。

しかし、著しく汚れていないなら全面をリフォームする必要はありません。

畳の表替え、外壁塗装、壁紙の張替え、水回りだけなど、予算に合わせて部分的にリフォームを行うだけでも入居者に良い印象を与えられます。

また、リフォーム内容によっては自治体に申請が必要です。

自治体の許可が下りたら、近隣の住民に挨拶をしてから工事を始めましょう。

2.マンションをリフォームしてから貸し出す

マンションを賃貸にする場合も、リフォームすれば入居者を見つけやすくなります。

現在、マンションの空き家が増加しているため、入居者を獲得するためにリフォームはオススメです。

マンションの築年数により、200万円~1,000万円がリフォーム代として必要となります。

全面をリフォームする必要はなく、一戸建てと同様に部分的なリフォームを行うだけで十分効果を得られるでしょう。

ただしマンションの場合、共用部分などリフォームできない場所もあります。

また、マンションをリフォームするなら管理組合に必ず許可を取りましょう。

3.DIY可能の物件として貸し出す

DIY可能物件として貸し出す方法もあります。

DIY(Do It Yourself)とは、自分で家具や部屋を作成したり、修繕したりすることです。

現在、自分らしく暮らしたいという人々を中心にDIYが流行しています。

そのため空き家をあえて修繕せず、DIY可能な物件として貸し出すと借り手が見つかることもあるのです。

マンションをDIY可能物件として貸し出す場合、管理組合の許可が必要です。

またトラブル防止のため、共用部分などDIYできない部分を入居者にしっかり説明しましょう。

活用方法2.売却する

空き家は、売却することも可能です。

空き家を売却するメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット 売却代金を得られる
維持費が必要なくなる
税金が軽減される
デメリット 売却費用がかかる
売却できるまで維持費がかかる

空き家を売却すると、資産を現金化できます。

売却代金で残りのローン支払いができるのもポイントです。

また、空き家が手元から離れるため管理する必要もなくなり、維持費や税金の負担を軽くできるでしょう。

ただし、売却には不動産屋への仲介手数料、リフォーム代など費用がかかります。

さらに、購入者が見つかるまで維持費も必要です。

売却する場合、次の3つの方法があります。

  1. そのまま売却する
  2. 解体して更地にしてから売却する
  3. リフォームしてから売却する

3つの売却方法を順に確認しましょう。

1.そのまま売却する

空き家をそのまま売却すると、費用がかからずリーズナブルに売却できます。

戸建てをそのまま売却する場合、「古家付き土地」として売却可能です。

中古物件を安く手に入れ、自身でリフォームやDIYをしたいと考える購入者も多くいます。

そのような購入者をターゲットに売り出すことができるでしょう。

マンションの場合も、そのまま売却可能です。

ただし、戸建てもマンションも外観や室内の状況が悪いとなかなか売れません。

その場合は解体やリフォームが必要となります。

2.解体して更地にしてから売却する

戸建ての場合、空き家を解体して更地にしてから売却することができます。

売主は解体費用を支払わなければなりません。

解体費用の相場は、150万円程度です。

土地を買って家を建てたい買い手からすると、解体費用を負担しなくて良いというメリットがあります。

空き家を解体すれば、建物の維持費もかかりません。

ただし、家屋付きの土地より家屋が建っていない土地は固定資産税が高くなります。

そのため購入者を見つけてから解体する方が、経済的負担を軽くできるでしょう。

3.リフォームしてから売却する

空き家をリフォームしてから売る場合は、すぐに住みたい人や綺麗な中古物件を探している人に売れやすくなります。

リフォームの相場は、戸建てなら500万円以上、マンションなら200万円以上です。

フルリフォームするより、水回りなど老朽化の激しい一部をリフォームするだけでも、買い手への印象も良くなります。

ただし、リフォームしたからと言って高値で売れるとは限りません。

リフォーム代を売却代金に上乗せすると、購入者が現れない可能性があります。

リフォームして売却するなら、価格を低めに設定すると売却しやすいでしょう。

活用方法3.居住する

空き家の活用方法を見てきて、「やっぱり空き家にせず住み続けようかな」「相続した実家の方に住もうかな」と考える人もいるでしょう。

空き家に居住するメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット 賃貸や売却にかかる費用がかからない
デメリット 状態によって修繕費用が必要となる

築年数の経っている空き家なら、リフォームやハウスクリーニングを必要とする可能性があります。

空き家の状態によって、すぐに住めるかどうか判断しましょう。

4.自治体の空き家対策支援を活用しよう

空き家の活用方法について理解したところで、「空き家を解体するにも費用がいるし、負担が大きいな」と悩む人も多いはずです。

空き家の対策について、自治体が支援してくれる可能性があります。

ただし、自治体によって空き家対策への支援内容が異なるので、空き家のある自治体に確認しましょう。

ここでは、自治体の主な空き家対策支援4つを紹介します。

  1. 空き家除却(解体)・改修費用への補助
  2. 空き家の専門家による個別相談費用への補助
  3. 固定資産税の減免
  4. 空き家バンクでのマッチング

このような自治体の支援を、空き家対策に役立ててください。

空き家のある自治体の支援を知りたい場合は、『地方公共団体による空き家対策支援制度』検索サイト」から確認しましょう。

支援1.空き家除却(解体)・改修費用への補助

自治体によっては、空き家の解体費用や改修費用に助成金が出ます。

ただし、助成金の内容や条件は自治体によって大きく異なるのです。

たとえば、東京都板橋区と大阪府池田市の解体費用補助を比較してみましょう。

  東京都板橋区 大阪府池田市
解体費用の助成金 上限100万円 40万円
対象者 ・建物の所有者
・敷地内の建物を、建物の所有者の同意を得て除却する敷地の所有者
建物の所有者
条件 同一年度内に同じ助成金を受けていないこと 年間所得が1,200万円以下であること

このように、助成金の額、対象者、条件が異なります。

助成金の内容については、空き家対策支援を行っている課に必ず確認しましょう。

支援2.空き家の専門家による個別相談費用への補助

空き家について各窓口で無料相談を受け付けている自治体もあれば、弁護士など専門家への相談費用を補助してくれる自治体もあります。

たとえば東京都の場合、弁護士や司法書士など専門家への相談にかかった費用を、5万円まで補助してくれるのです。

自治体に相談をすると空き家の活用方法、税金や解体費用、専門家への相談が必要かについても回答してくれます。

そのため、空き家の相談はまず自治体に行うと良いでしょう。

支援3.固定資産税の減免

自治体によっては、空き家を解体して更地にすると固定資産税の減免を受けることが可能です。

固定資産税は、家屋付きの土地だと住宅地特例が適用され税金を抑えられます。

しかし、更地にすると住宅地特例が適用されず税金が高くなるのです。

住宅地特例とは、家屋の敷地の固定資産税を更地にかかる固定資産税より軽減する措置です。

そこで条件に当てはまる空き家を解体すると、固定資産税を住宅地特例適用時の税額で据え置く制度を実施している自治体があるのです。

減免される期間は自治体により異なります

たとえば、千葉県木更津市の場合は減免期間2年ですが、徳島県鳴門市は10年のように差があるのです。

固定資産税の減免をしているかや減免の条件、期間については、空き家のある自治体に確認しましょう。

支援4.空き家バンクでのマッチング

空き家バンクを利用して、空き家の所有者と空き家を利用したい人をマッチングする制度もあります。

空き家バンクとは、賃貸や売却をしたい空き家情報を集約して、空き家の利用希望者に情報提供を行っているサイトです。

サイトに掲載されている情報は、国土交通省や自治体、宅建業者から寄せられる情報のため信頼できる情報を手に入れられます。

空き家情報を空き家バンクに掲載したい場合、空き家がある自治体に問い合わせましょう。

自治体が空き家バンクに情報提供をすることで、空き家情報を掲載できるのです。

ただし、空き家バンクに登録していない自治体もあります。

空き家バンクに登録しているかは、空き家バンクのサイトから確認しましょう。

5.各自治体の空き家対策事例3選

自治体によって様々な空き家対策支援がありますが、実際自治体がどのような取り組みを行っているか気になるはずです。

自治体の空き家対策について、3つの事例をご紹介します。

  1. 空き家バンクの利用や助成金で空き家を減らす取り組み(兵庫県宍粟市)
  2. 空き家の固定資産税減免する取り組み(新潟県見附市)
  3. 地域と連携して空き家を活用する取り組み(東京都世田谷区)

それぞれの自治体の事例を知って、具体的な空き家対策のイメージを描きましょう。

事例1.空き家バンクの利用や助成金で空き家を減らす取り組み(兵庫県宍粟市)

兵庫県宍粟市では、空き家バンクを利用して平成22年~平成28年の間に39件成約。

さらに、住まいや仕事探しのために空き家を月3万円で提供しています。

空き家バンクの利用や助成金は自治体によって利用可否が異なるため、空き家のある自治体に確認しましょう。

事例2.空き家の固定資産税減免する取り組み(新潟県見附市)

新潟県見附市では、固定資産税の減免を行っています。

減免期間は2年で、平成28年までに8件、総額約35万円を減免しているのです。

固定資産税の減免についても、自治体によって取り組みが異なります。

減免条件等は自治体に問い合わせましょう。

事例3.地域と連携して空き家を活用する取り組み(東京都世田谷区)

東京都世田谷区では、空き家所有者と地域活動団体をマッチングして、空き家を地域活動拠点として活用するよう支援しています。

たとえば、空き家を高齢者デイサービスや学童保育の場として活用したり、音楽会や講座を開くコミュニティスペースとして利用したりしているのです。

このように空き家を地域住民のために活用する自治体も多くあります。

6.空き家を売却する3つのメリット

空き家対策について見てきましたが、「でも、結局空き家はどうするのが一番良いの?」と思う人もいるはずです。

結論から伝えると、空き家は「売却」がオススメ!

なぜなら、売却のメリットは他の方法のメリットより大きいからです。

空き家を売るメリットは以下の3つとなります。

  1. 現金を得られる
  2. 空き家の維持費がかからない
  3. 空き家を譲渡すると3,000万円の特別控除が受けられる可能性がある

売却のメリットは本記事の「2.空き家を放置すると起こる3つの問題」で確認しましたが、さらに詳しく説明します。

メリット1.現金を得られる

空き家を売却すると、売却代金を得られます。

売却代金で残りのローンを支払ったり、住み替えの家を購入したりできるでしょう。

ただし、空き家を売却しても利益が出ない場合もあります。

ただ利益が出ない場合でも、空き家を長期間維持する費用と手間と比べれば、売却して現金化した方が負担が少ないのです。

特に年間数十万円する税金は、空き家所有者にとって重荷となります。

また、空き家は築年数が経つとどんどん値が下がるので、なるべく早めに売ると高値で売りやすいです。

メリット2.空き家の維持費がかからない

空き家を売却すれば、維持費がかかりません。

空き家の維持費には以下のようなものがあります。

  •  固定資産税
  •  都市計画税
  •  火災保険料
  •  光熱費
  •  家屋や庭のメンテナンス費

他にも空き家が自宅から離れていれば、空き家まで行く交通費が必要です。

空き家を維持するのは費用だけでなく、時間もかかります。

空き家を売れば、そのような経済的、時間的負担から解放されるのです。

メリット3.空き家を譲渡すると3,000万円の特別控除が受けられる可能性がある

空き家を売却すると、3,000万円の特別控除が受けられる可能性があります。

空き家を売って利益が出ると、譲渡所得税を支払わなければなりません。

しかし、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を利用すれば最高3,000万円控除することができます。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例とは、条件に当てはまる家屋や敷地を相続した場合に譲渡所得の特別控除を受けられる特例です。

以下のような適用条件があります。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家であること
  • 空き家の売却相手が生計を共にする親族など特殊な人でないこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続開始日から3年目の12月31日までに売却すること

戸建ての空き家を売却するなら、相続から3年以内に本特例を利用するとお得に売却できます。

ただし、マンションは本特例の対象外です。

7.空き家は売却がおすすめ!

空き家は賃貸にするより、売却をおすすめします。

賃貸と売却のメリットとデメリットは次の通りです。

  賃貸 売却
メリット ・家賃収入が得られる
・ローンや固定資産税を経費にできるので、節税できる
・売却代金を得られる
・維持費が必要なくなる
・税金が軽減される
デメリット ・入居者が見つかるまで維持費がかかる
・簡単に売却や再度住むことができない
・入居者とトラブルになる可能性がある
・売却費用がかかる
・売却できるまで維持費がかかる

このように、賃貸より売却の方がメリットが大きいです。

また、空き家の維持費は年間数十万円かかり、空き家所有者にとって非常に大きな負担となります。

税金についても、固定資産税の減免は主に2年間(自治体による)、空き家を売った時の特例も相続から3年と期限があるのです。

そのため空き家を売却するとき、解体やリフォームの有無よりも「売却の早さ」が重要となります。

まとめ

戸建て・マンションにかかわらず、空き家は売却がおすすめ。

空き家の管理や維持費を抑えるためには、空き家を所有したらすぐに売却しましょう。

空き家を売却するために、解体や改修したいなら自治体の助成金制度を利用できます。

自治体に相談すると、空き家バンクを通して購入者を募ることもできますよ。

自治体の支援を得て、空き家売却を成功させましょう!